中国蘭特集
栃の葉書房発行の『趣味の山野草』別冊、『にっぽんの伝統園芸』Vol.3は
32頁ほど中国蘭老種の特集です。恥ずかしながら九花の解説と「中国蘭文化の源流をたどる」という拙文を担当しました。
2,500円とちょっと高いけど立派な本です。ぜひ買って読んで下さい。
お近くの書店にないときはこちらから
栃の葉書房
ご意見、ご批判などいただけると嬉しいです。
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緑雲の故事
今回杭州を訪ねた目的は実は三つ有ります。
① 今春2/22より行われる杭州市民蘭花祭りに出品する蘭を届けること。
去年の春杭州で行われた浙江省春蘭展を尋ねたとき、友人の趙さんから
来年の蘭展に参加しないか?もしその気あるなら持ってくるの面倒だったら
蘭と鉢はこっちが準備してやってもいいぞ
(つまり名前だけの参加でもかまわんということ)とのお誘いを受けました。
本場の蘭展に参加するのは夢だけど、まさか名前だけはいやだし、
それと開花時期が私の住む京都だと一月遅れの3月のお彼岸頃、
暖めて無理矢理咲かしても良い花は咲かないし、移動時に花が痛むので
つぼみ付きの5株と鉢を今回持って来て趙さんに預かってもらったのでした。
どれか一鉢でもうまく会期に咲いてくれたら出品してもらって、5株どれもタイ
ミングが合わなかったらその時は仕方がない、趙さんの蘭を貸して!と
お願いしてあります。
② 杭州花圃の蘭苑を尋ねること
去年の春尋ねる予定だったのですが責任者の許曄さんが不在で実現できません
でした。ここは故松村謙三氏が何度か訪れた所で、氏が昭和34年(1959年)に
持ち帰られた鄭孝荷/丁小荷の謎についても調べたいと思っていたところです。
③ 杭州産の春蘭名品「綠雲」のゆかりの地の訪問
年末に日本語訳した「綠雲の故事」について、その縁の地、五雲山や留下村、
邵芝岩筆荘を尋ねました。
この報告をする前に「綠雲の故事」を読んでもらわないとお話になりません。
いずれ『園芸JAPAN』に掲載されるはずですが一頁ずつの分割連載なので
何年先になるかわからないし、
今回お正月特別サービスで原文付きでアップしてみます。
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ゴさんとタンさん
許韻琴・羹梅父子の肖像を出したらこのお二人を出さないわけにはいきませんね。
ご存じ《蘭蕙小史》の編著者呉恩元さんと校訂者(ということになっている)唐駝さん。
唐駝(53歳) 呉恩元(56歳)
《蘭蕙小史》に関する過去記事
○ 未完の大著
○ 蘭蕙小史新版
○ 圆梦 yuánmèng
他にもちょっと触れたことあると思うのですが・・・
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花芽を着ける秘法
《蘭蕙同心録》は光緒17年というから1891年、今の浙江省嘉興に住んでいた許羹梅という人が書いた蘭書です。蘭蕙の品種鑑別や栽培・鑑賞方法について詳しく述べられており、その中に花の咲かない蘭に花芽を着ける方法が書いてあります。
〈澆露〉 要約すると次のとおりです。
葉っぱは増えるのだけれどいっこうに花芽が上がってくれない、肥料を遣ってもさっぱり効果がないというモノがある。こんな蘭には夏の一番暑い時期に田んぼの朝露を取って掛けてやればたちまち花芽を着けることが出来る。
朝露の採り方: 大きな風呂敷大の薄い麻の布を用意する。新しい布であれば清水でよく洗い糊などを落として乾かしておく。
早朝、田んぼの稲穂の上に麻布を被せ、ぬぐうようにして朝露を吸い取り、しぼり取る。被せてはしぼり取りを繰り返し甕か瓶に貯める。集める朝露は多いほどよい。
これを毎朝、お椀に一杯ほど、10数日続けて蘭に掛けてやればきっと花芽が着く。
以上
稲の露でないといけないのかな?雑草のではだめなのかな?
もし稲でないといけないとすると向こうのはたぶん長粒種だと思うけど、日本の短粒種でも効果があるのかどうか・・・?
興味のある方は試してみてください。(蘭花村のそんちょさんかranpuhenさんくらいしかできないか・・!?よそんちの田んぼで勝手に朝露取ってはいけません。)
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より以前の記事一覧
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