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m'sranさんの九章梅

『九章梅』は中国春蘭老種のひとつだけど、意外と見る機会の少ない品種です。
とびっきりのとはいえないけどかわいい個性的な花を咲かせます。昔、蘭やり始めて間もない頃入手し2、3回花を見たものの、枯らしてしまいその後ずっと我が家の棚には不在でした。
Jiuzhangmei
去年の11月頃、ヤフオクに出たので入札したら、翌日、電話が掛かってきて、「あれ(出品者)、僕です。株分けしたのがまだ有りますから進呈します。追っかけないでください」と、、
このBLOGのコメント欄でもお馴染みのm'sranさんからでした。

去年12月初め、津の杭州寒蘭展のとき、笠間鉢に植えたその蘭を持ってきてくれて、鉢ごといただいたのが上の写真の株です。花芽がひとつ着いてます。

m'sranさん(大橋政彦さん)は大阪堺市在住、私より10歳若い昭和37年生まれでした。
下は2013年4月、江蘇省太倉市で行われた全国蘭花博覧会に一緒に行ったときの写真です。
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全国展としては初めての九花展で公称4000鉢、実際には四っつの大温室での展示は3000鉢ちょっとだったが、別会場の個別展示や外の交易区の露店も入れたら4000鉢はあったであろう。
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大橋さんは初めて見る本場の大規模な九花の展示や古い文献資料、書画の展示に大変感激していた。
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広い会場を、「1時間後にここで会いましょう」と約束して分かれては、思い思いに見学した。翠緑色のすごくきれいな金嶴素や、葉幅の広い老慶華とか面白いものを見つけると捜して、「ちょっとこれ見てください」と一緒に見た。
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私も2007年初めて宜興の九花展を訪れたとき、また、2009年蘇州蒼浪亭での春蘭展や2010年太倉南園の九花展で展示されている古い資料、蘭譜を見たときは心臓が止まらんばかりに驚き感激したものである。そのときの私同様に感激しているのを見て、誘ってよかったとうれしく思った。
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二日間蘭展を見て、ホテルの近くの南園を訪ねた。
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この南園はもともと明代に作られたものであるが、戦中は日本軍の駐屯地になったりその後も荒廃していたのを蘭関係資料の一大コレクターでもある殷継山氏が古い絵図などを元に1998年復元復興させた庭園である。
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最終日は上海植物園蘭室を訪ね、沈雪宝氏や徐華さんに美味しいお茶を頂きながら夕方の帰国の飛行機までの時間を過ごした。
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大橋さんはイングリッシュローズやボタンにも詳しくて、植物園ではいろいろ教えてもらった。

大橋さんとは国内は津や富山や浜松、中伊豆、東京、あちこちの蘭展で現地集合で蘭見学をご一緒した。
京都宋梅会の九花展ではいつも堺から車で駆けつけてくれて、出品はもちろんセッティングから後片付けまで大いに助けていただいた。

1月31日の午後、奥さんから「たった今亡くなりました」と電話をいただいたときは言葉を失った。
膵臓癌だった。
膵臓癌は初期症状が出にくく場所的に手術が困難、5年後生存率15%といわれ癌の中でも最もやっかいな癌であるらしい。私の妹も3年前にダンナをこの癌で亡くしていた。
大橋さんは、昨年3月には激やせしてたけど、手術はうまくいってその後も順調ということで、京都宋梅会としては久しぶりの春蘭展に駆けつけてくれた。5月のミヤコメッセでの九花展も参加してくれた。

昨年10月殷継山さんたち中国の蘭友一行が我が家を来訪されたときは、ぜひ一緒に歓迎しようと誘っていたのだが関空が台風21号の被害で使用不能になりギリギリまで日程が決まらなかったことや、大橋さん自身体調があまりよくないということもあって参加してもらえなかった。
でも12月津の杭州寒蘭展に奥さんといっしょに来られてお会いしたときはあんなに元気で顔色もよくて、
私は、もう大丈夫だ。薬や治療法がうまくマッチしたんだろう。うまく乗り切って15%内に入ったにちがいない。今年はやろうかどうしようかと迷っていた宋梅会の春蘭展と九花展も大橋さんがこの調子だったらいっしょにやれると思い、祇王寺の会場を予約した直後の訃報だった。

家族をとても大事にする方だった。太倉の九花展を一緒に見た後また中国の蘭展を見に行かないかと誘ったときは、この春は息子さんの大学入学でとか、長男の就職が決まって引っ越しを手伝ってやらないといけないんでとか、3人のお子さんの事と重なってその後は行けずじまいだった。同じ蘭痴、蘭迷であっても「あんたは蘭のことしか頭にない・・・」とカミさんに怒られてばっかりの私とは大違いな人だった。

大橋さんは長い付き合いの中で、一度も他人の悪口とか言うのを聞いたことがない人だった。私より10歳も若い人だったが同じ趣味というだけでなく、人間のずるさとか卑しさとかいったものを一度も感じたことがない人格的にも尊敬できる人だった。

ご家族のご心痛は察するに余りあるが、わたしも知音の蘭友を失って片腕をもぎ取られたように悲しく寂しい。

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コメント

えっ!!!!!!!

・・・・ 合掌 ・・・・

やさしい 笑顔 が ・・・

投稿: そんちょ | 2019/02/08 08:11

先日(12月末)、修学院のブログ再開の連絡をしたら、m'sranさんからメールを頂き、5月の九華展でお会いしましょうと約したのですが、早過ぎる訃報をお聞きしました、残念です合掌 !!!

投稿: 修学院 | 2019/02/08 08:21

m'sranさんと5年程前に遠州でお会いしました。
明るく楽しく蘭を楽しんでいる様子で「ブログ拝見していますよ」と自己紹介してくれました。マニアらしくない、健全な生活者と言う印象を受けました。ぼつぼつ、蘭迷さんと来て貰いたいと思っていました。
若手のリーダーを失って残念です。
ご冥福をお祈りいたします。

投稿: 蘭風苑 | 2019/02/08 14:25

蘭迷さんのブログで大橋さんの訃報を知り、何とも言えない気分になりました。
大橋さんとのLINEを見て、その時に戻っています。
同じ堺市で人数の少ない趣味を共有している点で、時を忘れて話が弾みました。もう会えないとなると、非常に断念でなりません。
大橋さんの冥福をお祈りしします。

投稿: せいあ(井蛙) | 2019/02/09 21:30

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