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宜興の九花展報告(その2)

               2012.4.12-4.15       

その1を書いたまま、中断して3ヶ月も過ぎてしまいました。
あの頃はまだ桜が咲いていたのにもう、梅雨も明けて真夏、今さらという感じもしますがやっぱりこのままでは次の九花ネタに進めないので再開することにします。

さて、4月13日、宜興九花展初日の早朝。
まだ会場へは入れませんが、外は山採り品や新旧の銘品を売る露店や各地からやってくる九花ファンですごい人、人、人。いつもの事ながらすごい熱気です。
開幕式にまじめに付き合ってる人は少なく皆露店を物色しています。
これはと思う新花を「なんぼ?」と尋ねると「3万/1苗」とか言われてとても私なんかには手が出せるモノではありません。が、売れてます。
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うろうろしてると《蘭蕙縦横》の牟氏や2年前無錫の蘭展でコレクションの蘭鉢を手にとって説明してくれた丁氏や、葉氏やら、、見知った顔にずいぶん出会います。
でも日本人は今回の九花展もどうやら私ひとりみたいです。日本語の通じる上海のワンさんには会いましたが・・・

やがて開幕式が終わり、会場に入るとしばらくは蘭を見るどころではありません。
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少し人がひいてから1列ごとメモしながら展示されている鉢数を数えてみたら全部で661鉢ありました。
そのうち老品種は大一品:39、崔梅:29、老極品:26、解佩梅:24、元字:11、南陽:8、江南新極品:18、程梅:16、鄭孝荷:16、丁小荷:2、端蕙梅:15、仙緑:12、関頂:10、長寿梅:10、蕩字:8、老慶華:2、慶華梅(潘緑梅):7、潘緑梅:1、老朶雲:6、大陳字:6、金嶴素:6、老上海梅:5、老染字:4、虞山梅:4、適円:3、端梅:2、翠萼:2、蜂巧:2、栄梅:2、江山素:2、翠定荷素:1、温州素:1鉢。素心が意外に少ないです。
しかし同じ品種をこれだけ一同に見られるというのは非常に勉強になります。程梅や関頂など紛らわしい品種がないものを見比べると、栽培環境や用土などが変わるとこれだけ花形も葉姿も変わるかということが確認できて、いままで分かっていたつもりの品種でもワケ分からなくなったりします。
ただ、この品種はよく咲かせるとこんな立派な花が咲くのか、葉姿もこんな品よくなるのか。と培養の目標、理想をイメージすることができるのがなんといっても、本場の展示会を見て得られる収穫です。
新しい珍しい蘭を買うことはできなくも、ただ見るだけでも充分得るものはあるのです。

すべての展示品を花とラベルと写真に撮ったのですがその一部を紹介します。

・          端 梅                    ← のアップ                      
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端梅にようやく再会できました。前日の夕方準備中の会場でこの花を見て、その夜は興奮して眠れませんでした。この6年ほど毎年江南の九花展に通ってるのは実は、2007年にこの宜興で初めて端梅の実物を見て、帰ったあともう一度しっかり見てみたいと思っていたからでした。
・          老慶華                   ← のアップ 
20120413qinghua0120120413qinghua02
この会場でも「慶華梅」の名札が着いた花のほとんどは下の「潘緑梅」でした。しかし、《蘭蕙小史》の記述や《蘭華譜》の写真など古い文献を見るとこっちが老慶華のはずです。
昭和50年頃、1枚のカラー写真が出て中国も含めていろんな本に使われ、それ以後入れ替わってしまっているのですが、これについてはまた後で別途論じます。
・         潘緑梅                       栄 梅
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・     程梅いろいろ
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上の3株の程梅、葉姿がずいぶん違いますが、培養の仕方でこれくらいの差は出ます。葉姿での品種鑑別が意外と当てにならない例です。真ん中のくらいにゆったり垂れ葉に作りたいものですが私のはどうしてもビューンと真っ直ぐ立って上10cmくらいのところでヒュンと垂れる傾向になりがちです。最近元字(南陽梅)も東麓金鶏も大一品も同じ傾向が出てきていて困っています。富山の先輩方は皆さん、葉姿よく作るのが上手で、その極意を盗まねばと思っているのですが・・・。

次回、その3では新花をすこし紹介します。

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コメント

今晩は、待ってました!!。
最後の栄梅の画像が小さくて残念です。今、日本にある花でこの栄梅に似ているものはありますか。

投稿: narimune | 2012/07/23 20:48

栄梅、《蘭華譜》には載ってませんが《我蘭記》のリストには入ってますね。
似てるの、強いて言えば《中国ラン》P138の「虞山梅」の写真がよく似ています。虞山梅ってこんな品よく咲くことあるのかなあ?と前から思っている写真です。

投稿: 中国蘭迷 | 2012/07/24 06:46

蘭迷さん、こんにちは。
世の中熱中症で騒いでいる(?)のに、夏風邪で休んでいます。
中国での九華の品種の人気は、出展数の多さに比例しているのでしょうか?

うちの慶華梅(という名札で購入)はどうやら「潘緑梅」のようです。
花と花の間が広く、ゆったりしていて気に入っています。( ^ω^ )
本場の蘭展をUPして頂くと、とても参考になります。

投稿: poirot | 2012/07/25 11:23

「3万/1苗」って花見て見たいものです。
っと
「端梅」実物見たいですね。

きゅうかは見てしまったらはまりこむんでしょうね!

投稿: そんちょ | 2012/07/25 11:36

栄梅が虞山梅の中に紛れていたり、虞山梅として売られていたり、という可能性はあると思います。栄梅なんて聞いたこともない銘で売るより通りの良い適当なものの名前にしたほうが売りやすいからでしょう。来年は虞山梅に注目ですね。

投稿: narimune | 2012/07/25 20:57

poirotさま:
お風邪のほうはその後いかがですか?
毎日蒸し暑くて体調どうもなくても参ってしまいます。
ご自愛下さい。

>品種の人気と出展数の多さ
そんな面もあるし、そうでない面もあるというか・・・
崔梅や江南新極品や解佩梅は日本ではあんまり見かけませんが、むこうではよく出ています。おそらく文革でも絶えることなくけっこう多く生き残って、普及が早かったのだろうと思います。

「慶華梅」と「潘緑梅」、「劉梅」、「楼梅」はいまだいろいろ議論があって混乱しています。
「元字」と「南陽梅」、「鄭孝荷」と「丁小荷」などもそうです。
ただ、実物を見ながら議論でき、「同種異名」「同名異種」の議論があるものをお互い交換したり毎年見せ合ったりしながら認識を深めていけるのはうらやましいところです。

投稿: 中国蘭迷 | 2012/07/27 22:48

>「端梅」実物

陳学祥さんのこの端梅のところはいつも人だかりがしていました。
「1百万/1苗(1200万円/条)」という声が聞こえましたが、翻訳すれば「大一品也!」という意味かもしれません。
でも、むこうの雑誌の相場表では20~30万元/苗となってますから、あの花着きの株だと1百万/1苗もわからなくもないです。

投稿: 中国蘭迷 | 2012/07/27 22:58

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