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小打梅 ばい!

朝、通勤時、天神川沿いの桜の蕾がかなり膨らんでピンクに色づいているのが見えました。帰りにはちらほら開いてるのも確認。。
我が家の春蘭は今開きかけのやまだこれからのもあって、これはやっと咲いた小打梅。
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今年は全体に花着きがわるかったなかでこの株はなんと20個も着いて、後ろにはまだこれから咲く蕾がごろごろ、押し合いへし合いしてます。
花軸が伸びてないですけど、この株ではこのくらいがちょうどいい。これ以上伸びるとみんな葉っぱの中に隠れてしまいます。
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咲き始めはほんとに可愛いいいい花で、時々ちがう名前で出ているのはよく咲いたときと下品に咲いたときの落差が大きすぎるからでしょう。私が買ったときは「春緑梅」という名札が着いていました。舌の赤点がV字ないし三角形で先端がぼやけるのと、開花後時間が経つと棒心がパカッと開いて見違えるようにだらしなくなるのが特徴。葉は紺地が薄い。

《蘭蕙小史》にはわずか40文字の短い文章にこの花の特徴と来歴が簡潔に書かれています。

「小打」とは「殴りあい、とっくみあいのケンカ」という意味で一般に「蘇州の花屋でこの花を見つけた客同士がケンカして奪い合った」と名前の由来を説明しているのですが、《蘭蕙趣聞》ではケンカしたのは客ではなくこの花を山採りした蘭農の兄弟で、そのケンカを王知府という名裁判官が仲裁して元の鞘に納めたというお話が載っています。
この解釈の違う理由が《小史》の文章をよく見ていたらわかりました。「道光年間の時、蘇州の花窖から出た。ケンカして奪い合ったのでこの名がついた。」とあり、誰と誰がケンカしたかは書かれていません。「花窖」を日本の蘭書はみんな花屋と訳しているのですが、「窖 jiào」 とは「穴倉とか地下貯蔵室(にしまう。貯蔵する)」の意味で「冰窖」は「氷貯蔵穴倉、ひむろ」、「白菜窖」というと「白菜貯蔵地下室」のこと。
昔、江南地方では冬の農閑期、山から採ってきた蕾着きの蘭を暖かい室(ムロ)に積みムシロをかぶせて置いたり、大きな甕の底に水を張り、竹や木で作った架台の上に蘭を放射状に積み重ねて下から弱火で暖めて花を咲かせて良花を選別する「催花」という方法があったそうです。もし《小史》の「花窖」がこの方法で小打梅を見いだしたということを言っているのなら、とっくみあいのケンカをして奪い合ったのは客に見せる前の選別段階、売る側の人間だったという解釈のほうが妥当かもしれません。

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コメント

裁判官までお出ましだったとすると・・・・
そうとう強烈なけんかだったみたいで。。。
仲裁を願ったのが本人達だったらまだいいが、周りの人たちが見かねて・・だったら、、かなり悲惨なことになっていただろうね。

投稿: そんちょ | 2012/04/03 09:52

「小」と言うくらいだから小競り合いかと思ってた。

日本の展示会や園芸店では全くケンカ見掛けませんね。
多分、心の中ではドロドロゴーゴームクムク・・・・

投稿: 儿 | 2012/04/03 13:04

まあ、ケンカといっても刃物や飛び道具は使っていませんから。

裁判官と書きましたが、
王知府の「知府」は官職名で「蘇州府の長官、知事」といったところでしょうか。
当時は三権分立してなくて(今も?!)地方長官は行政の長も裁判官の役もこなしていたそうです。
たまたま通りかかって、仲の良かった兄弟がこの蘭が大金になるとわかるや大げんかを始めたのを見て、オシラスに呼びつけ大岡裁きで調停してやったそうです。
《趣聞》の故事はあくまで「お話」、事実を元にしたフィクションだそうですけど。

投稿: 中国蘭迷 | 2012/04/05 01:32

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